「オルカンで安定を取るか、NASDAQ100でリターンを狙うか」——新NISAで積立を始めた多くの人が一度は迷うポイントです。この記事では両者の違いを事実ベースで比較し、どちらが自分に向いているかを判断する材料を提供します。
積立タイムマシン編集部
最終更新: 2026年7月
本記事は金融庁・JPX・MSCI・S&P Dow Jonesなどの公開情報と、積立タイムマシン独自のシミュレーションデータをもとに作成しています。
先に結論をお伝えします。
※ NASDAQ100は過去の高リターンで注目されますが、ボラティリティも高い商品です。「必ずNASDAQ100の方が得」とは言えません。
「オルカン」は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の愛称で、MSCI ACWI(All Country World Index)に連動する投資信託です。先進国23カ国・新興国24カ国を合わせた約47カ国・約3,000銘柄をカバーし、時価総額の比率に応じて世界全体に分散投資できます。
世界中の企業へ自動的に分散されるため、「1本選ぶならまずこれ」という定番の位置づけを持つ商品です。特定のセクターに偏らないため、値動きの振れ幅も比較的穏やかです。
NASDAQ100は、米国ナスダック市場に上場する非金融企業のうち時価総額上位100社で構成される株価指数です。Apple・Microsoft・NVIDIA・Googleなどテクノロジー企業が上位を占め、AI・半導体・クラウドなど成長分野の恩恵を強く受けます。日本では「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」が代表的な商品です。
2020年は約+38.3%、2023年は約+65.3%と高い暦年リターンを記録した一方、2022年は約−23.2%でした。いずれも円ベース・分配金再投資込みの暦年リターンであり、年中の最大下落率ではありません。
| 項目 | オルカン | NASDAQ100 |
|---|---|---|
| 対象国 | 約47カ国(全世界) | 米国のみ |
| 銘柄数 | 約3,000銘柄 | 約100銘柄 |
| 分散度 | ◎ 地域・業種とも分散 | △ テック業種に集中 |
| 過去リターン | ○ 安定的な水準 | ◎ 好調期は圧倒的に高い |
| 信託報酬 | 年0.05775% | 年0.495% |
| 2022年の暦年リターン | 約−5.6% | 約−23.2% |
| 向いている使い方 | コア(主力)向き | サテライト(一部)向き |
※暦年リターンは円ベース・分配金再投資込みで、年中の高値から安値までの最大下落率ではありません。信託報酬はeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスの2025年6月時点の税込数値。
両商品の公式な分配金再投資基準価額から検証した、商品設定後の月次実績を使った計算結果です。
【2020年1月〜2025年6月】毎月3万円積立
オルカン
+132万円
+66.7%
元本 198万円
評価額 330万円
NASDAQ100
+183万円
+92.6%
元本 198万円
評価額 381万円
【2018年11月〜2025年6月】毎月3万円積立(両商品の公式実績が揃う期間)
オルカン
+201万円
+83.9%
元本 240万円
評価額 441万円
NASDAQ100
+311万円
+129.9%
元本 240万円
評価額 551万円
読み取れること
※両系列とも「A:公式月次データ」です。商品設定後の実績を使用しており、将来の成果を示すものではありません。
下落局面での値動きの差は、この2商品を比較するうえで最も重要なポイントです。
コロナショック(2020年2〜3月)
2020年の円ベース・分配金再投資込みの暦年リターンは、オルカンが約+9%、NASDAQ100が約+38.3%でした。暦年リターンだけでは、年中の最大下落率や回復までの期間は判断できません。
▶ 年中の下落・回復期間とは別の指標
インフレ・利上げショック(2022年)
2022年の円ベース・分配金再投資込みの暦年リターンは、オルカンが約−5.6%、NASDAQ100が約−23.2%でした。これは年中の最大下落率ではありません。
▶ NASDAQ100が大きく劣後
2023年のテック株回復局面
2023年の円ベース・分配金再投資込みの暦年リターンは、オルカンが約+30.4%、NASDAQ100が約+65.3%でした。単年の暦年リターンは、下落前の水準までの回復期間を示すものではありません。
▶ NASDAQ100の暦年リターンが上回った年
NASDAQ100は好調期のリターンが大きい分、下落局面での振れ幅も非常に大きい商品です。「下がったときに積立をやめてしまう」ことが最大のリスクになります。続けられる金額・比率で保有することが重要です。
新NISA(2024年〜)のつみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠と合わせた年間投資枠は360万円、生涯の非課税保有限度額は1,800万円です。制度は将来変更される可能性があります。最新情報は金融庁・お取引の証券会社等の公式情報をご確認ください。
金融庁は「長期・積立・分散」の原則を推奨しています。この観点からは、まず47カ国・約3,000銘柄に分散するオルカンをコアに据え、NASDAQ100はリスク許容度に応じてサテライトとして組み合わせる方法が一般的です。
新NISAで選ぶ際のポイント
オルカンが向いている人
NASDAQ100が向いている人
まとめ:リスク許容度で選ぶ
オルカンは世界分散による安定性、NASDAQ100はテクノロジー成長への集中による高リターンが特徴です。どちらが絶対に優れているという答えはなく、下落局面でも積立を続けられるかどうかが最終的な選択基準になります。迷ったら、まずオルカンをコアにして始めるのが無難な出発点です。
A系列は一次情報から検証した月次実績を使用し、参考系列は品質を明示しています。将来の運用成果を保証するものではありません。データについて
「もし○○年から積み立てていたら?」を、オルカン・NASDAQ100それぞれで実際に確かめてみましょう。 あなた自身の開始年・毎月の積立額で、リアルな数字を体感できます。
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