「配当を受け取りながら育てるSCHD」と「値上がり益で資産を最大化するS&P500」。どちらも新NISAで人気の米国株投資先ですが、リターンの出方や下落局面での動きに違いがあります。この記事では両者の違いを事実ベースで比較し、どちらが自分の投資目的に合っているかを判断する材料を提供します。
積立タイムマシン編集部
最終更新: 2026年7月
本記事は金融庁・JPX・MSCI・S&P Dow Jonesなどの公開情報と、積立タイムマシン独自のシミュレーションデータをもとに作成しています。
先に結論をお伝えします。
※ どちらも米国株への投資であり、優劣を断定できるものではありません。配当収入を重視するか、資産の最大化を重視するかで選択が分かれます。
SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)は、シュワブが運用する米国高配当ETFです。配当利回りだけでなく財務健全性・増配継続実績を重視したスクリーニングで約100銘柄に絞り込んでいます。日本では「楽天・高配当株式・米国ファンド(楽天SCHD)」として投資信託化されています。
「配当を増やし続けられる財務優良企業」に的を絞っているのが特徴です。値上がり益より配当収入を重視する設計のため、S&P500と比べると株価の伸びは穏やかになる傾向があります。
S&P500は、米国の代表的企業500社で構成される株価指数です。アップル・マイクロソフト・エヌビディア・アマゾンといった大型企業に加え、金融・ヘルスケア・生活必需品など全業種をカバーします。日本では「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が最も人気のある商品です。
配当よりも企業の成長・値上がり益を反映する設計のため、配当利回りはSCHDより低めです。過去数十年にわたり世界の主要指数の中でも高いトータルリターンを記録してきた実績があります。
| 項目 | SCHD | S&P500 |
|---|---|---|
| 投資対象 | 米国高配当株(財務優良約100社) | 米国大型株500社(全業種) |
| 銘柄数 | 約100銘柄 | 500銘柄 |
| 配当利回り | 約3.5〜4.0% | 約1.2〜1.5% |
| リターン特性 | 配当中心・値上がりやや低め | 値上がり重視・配当は低め |
| リスク | 中低 | 中 |
| 信託報酬 | 0.192%(投信) | 0.09372% |
| NISA対応 | ○ 成長投資枠(投信もあり) | ○ つみたて・成長両対応 |
※信託報酬は楽天・高配当株式・米国ファンド、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の2025年6月時点の税込水準に基づく参考値。
実際の運用成績データをもとに、積立タイムマシンのシミュレーション機能で計算した結果です。
【2020年1月〜2025年6月】毎月3万円積立
SCHD
+58万円
+29.3%
元本 198万円
評価額 256万円
S&P500
+91万円
+46.2%
元本 198万円
評価額 289万円
【2016年1月〜2025年6月】毎月3万円積立
SCHD
+229万円
+67.1%
元本 342万円
評価額 571万円
S&P500
+349万円
+102.2%
元本 342万円
評価額 691万円
読み取れること
※過去の実績データに基づくシミュレーションです。配当再投資込み・手数料・税金は考慮外。将来の成果を保証するものではありません。
下落局面での値動きの差は、この2商品を比較するうえで重要なポイントです。
インフレ・利上げショック(2022年)
2022年のSCHDは約−3.4%の下落に留まったのに対し、S&P500は約−18.4%と大きく下落しました。財務優良な高配当株(公益・生活必需品・金融など)を多く含むSCHDは、テック株主導の下落局面で相対的に穏やかに推移しました。
▶ SCHDの下落幅が小さい
コロナショック(2020年2〜3月)
両者ともに急落しましたが、その後の回復局面ではテクノロジー株の比率が高いS&P500の方が急速に回復しました。SCHDは財務優良株中心のため、回復ペースはS&P500よりやや緩やかでした。
▶ S&P500の回復が速い
SCHDの下落耐性は過去の特定局面(2022年)で見られた傾向であり、あらゆる下落局面で同様の結果になるとは限りません。
配当投資かインデックス投資かを選ぶ際、最も分かりやすい違いが配当利回りです。
資産を最大化する観点では、配当を都度受け取るより値上がり益として保有し続ける方が複利効果を得やすいとされています。一方で、配当という形で現金収入を定期的に得られる点は、生活費の補填を目的とする場合に活用されています。
新NISA(2024年〜)では、S&P500はつみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入できます。SCHD(楽天SCHD)は成長投資枠での購入となり、つみたて投資枠には対応していません。
新NISAで選ぶ際のポイント
SCHDが向いている人
S&P500が向いている人
Q. SCHDとS&P500はトータルリターンでどちらが高いですか?
過去のデータではS&P500が上回る期間が多く見られます。SCHDは高い配当を出す分、株価の値上がりはS&P500より抑えられる傾向があります。ただし配当を再投資せず生活費に使う場合の「手取り収入」という観点ではSCHDが優位です。
Q. 配当投資とインデックス投資はどちらが得ですか?
資産の最大化という観点では、配当に税金がかかる分だけ再投資効率が下がるため、S&P500のようなインデックス投資が有利とされています。一方SCHDは定期的な現金収入が得られるため、生活費補填や心理的な安定感という点で活用されています。
Q. 新NISAではSCHDとS&P500どちらが有利ですか?
トータルリターンの最大化を目指すならS&P500(つみたて投資枠対応・再投資で複利効果)。配当を非課税で受け取りたい場合はNISA口座でSCHD(楽天SCHD・成長投資枠)という使い方もあります。ただしNISAでも米国側の外国源泉税(10%)は控除されるため、配当が完全非課税にはなりません。
Q. SCHDとS&P500を両方持つのはありですか?
見られる組み合わせの一つです。S&P500で資産成長を狙いながら、SCHDで配当収入を確保する方法です。ただし両者は重複する銘柄も含まれるため、完全な分散にはならない点に注意が必要です。
まとめ:配当重視と成長重視の違い
SCHDは配当収入を重視した安定志向、S&P500は資産の最大化を重視した成長志向という違いがあります。どちらが絶対に優れているという答えはなく、配当という形の現金収入を重視するか、トータルリターンを重視するかで選択が分かれます。
本サービスのシミュレーションは過去データをもとにした参考情報です。将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身でお願いします。データについて
実際にSCHDとS&P500を同じ条件で積み立てた場合の結果は、シミュレーションでも確認できます。 あなた自身の開始年・毎月の積立額で、リアルな数字を体感できます。
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